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“楽になる”工夫を考えていくことは素晴らしいことなのです

 介護は本当に大変ですけれど、笑って楽しんでいるご家族はとても素敵です。介護は介護する人と介護を受ける人の関係性が基本ですので、お互いが気持ち良く過ごすことが一番大切なことと思います。介護があるとどうしても生活に負担がかかってきますが、上手く社会資源を活用して、負担を軽くしつつ、気持ちはしっかりと向き合っていけば良いのだと思います。精神論で、ただただ、“頑張って”しまっては、介護を受ける側も辛くなってしまいます。

 良い関係性を維持していくには、お互いに相手の視点を理解し合うことが大切となります。ところが、認知症の人は、そもそも、相手が自分とは異なる視点を持っているということの理解がだんだん難しくなっていき、自分の“主観的な世界”が全てとなっていく傾向にあります。例えば、ご自身のお歳を半分の40歳と思っていらっしゃる方は、自分の“主観的な世界”と、客観的な状況の食い違いに気付かずに、正そうとすると、かえって混乱をしてしまいます。

 この時、介護する側が、認知症の人の世界を丸ごと受け入れて、認知症の人の“主観的な世界”の中に入り込んで関係性を作っていくことが肝要です。よく、“認知症の人の世界を受け入れて”と言いますが、情に訴えているのではなく、そうすることが“合理的”だからなのです。情を求めていくと、辛くなっていきますが、割り切って考えていくと、心理的に楽になっていくこともあります。

 このように、認知症に限らず、介護を受ける方の疾患について、学ぶことで楽になることもあります。ここで大切なのは“気持ちが楽になるために学ぼう!”という姿勢ではないかと思います。介護についての情報もあふれていて、“望ましい関わり方”もいろいろと言われています。そうした理想論を鵜呑みにするのではなく、必要なものは無理の無い範囲で取り入れていけば良いのです。家庭はそれぞれの事情で成り立っていますので、介護を受ける方のみを優先すると、他のご家族にしわ寄せが来ることもありますが、介護サービスを上手く利用しつつ、ご家族全員のバランスを考えて、出来ることを、出来る範囲でしていけば良いと思います。無理をして頑張ることは、決して美徳ではありませんし、出来ないからと言って責める必要も全くないのです。

 “楽になる”工夫を考えていくことは素晴らしいことなのです。介護をする人も、介護を受ける人もともに生活を楽しむこと、それを実現するにはどうすれば良いのか、一緒に考えていきたいものです。

牧 陽子(まき ようこ)
群馬大学大学院保健学研究科非常勤講師、作業療法士。脳機能障害としての認知症の正確な理解に基づいた実践医療・脳活性化リハビリテーション・地域活動に取り組む。「がんばらない介護生活を考える会」賛同者。

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