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カドマル帯  2009年介護の日セミナー:実施レポート 2009年11月11日(水) カドマル帯
介護の日セミナー実施概要:自分らしく生きる。知恵と工夫で変える!がんばらない介護生活
2008年7月から厚生労働省が「11月11日」を『介護の日』と決定しました。がんばらない介護生活を考える会では、2005年から9月25日を介護の日としていましたが、厚生労働省と歩調をあわせ、2008年より、11月11日を『介護の日』としています。
会の今年の『介護の日』のテーマを“自分らしく生きる。知恵と工夫で変える!「がんばらない介護生活」”。「がんばらない介護生活」の実現を目指し、セミナーを通じて、進化する介護の考え方、介護技術や介護用品などの情報提供を行いました。
カドマル帯 主なプログラム カドマル帯
第一部 / 11:05〜12:30
講演1 /11:05〜11:45
『認知症の在宅介護〜私たちにできること「在宅三本柱」でどこまで援助できるか』
〔講師〕岡本祐三(おかもとゆうぞう)
(国際高齢者医療研究所 所長 / 岡本クリニック院長 / 医師 / がんばらない介護生活を考える会委員)
岡本祐三
認知症の方へのケアをどうすればいいのか、認知症の方の内面やその経過をふまえた上で、実際の対応について紹介しました。

認知症の方は、認知できないことに対する悲哀や混乱を抱えていること、理屈が理解できず、自分の認知しているものが絶対だと思うこと、以前できていたことができなくなってしまうことによりうつ症状が出ることもあるとの説明がありました。認知症の大きな特徴である、現実の取り違えと失敗行動の2つが介護する家族にとって我慢できず、家族のストレスになることが多いが、ケアをしていく中でプライドを尊重すること、つまり、身体障害の治療と違って、本人に働きかけるコミュニケーションや安心できる環境づくりがもっとも大切であるとのお話がありました。さらに、精神論で無理に頑張ろうとせず、適切な医療(診断・治療薬)やデイサービスの利用、十分な家族カウンセリングの活用が認知症介護の基本であるとのお話や、認知症の中間段階では、デイサービスの利用で本人の自信が回復して問題行動も穏やかになった結果、家族との関係が良くなったというケースも多くあると述べられ、認知症の進行具合を把握し、施設の利用を考えることが大切であると呼びかけられていました。
講演2 / 11:45〜12:25 『排泄ケアの最新知識』
〔講師〕西村かおる(にしむらかおる)
(コンチネンスジャパン株式会社専務取締役 / NPO法人日本コンチネンス協会会長 / 看護師 / がんばらない介護生活を考える会委員)
西村かおる
過活動膀胱、夜間頻尿・多尿、骨盤内臓器脱、便秘などの対応について、腸内細菌の活用なども含めて紹介しました。

まず、正常な排尿を知り、排尿に異常がある際には、チェックリストを用いて(1)日中排尿回数(2)夜間排尿回数(3)我慢がしづらかった頻度(4)尿失禁の有無と頻度で点数化し、診断する必要があるとお話しいただきました。対策としては適切な水分摂取や尿意を我慢する訓練、骨盤底筋の強化、薬や電気刺激による治癒等もあるため、是非、専門家に相談してほしいと呼びかけられました。また、排尿パターンや量の把握をするための排尿記録表への記録(24時間、できれば3日間くらい)や、膀胱炎の予防にクランベリージュースの摂取も勧められました。お通じにおいては、回数よりも形(理想はバナナ型)が重要であると述べ、排便においては便意を長く我慢させ過ぎないことといきみやすい、前かがみの姿勢が取れるようにすることの2点が大切であるとのお話がありました。
食事については、繊維質、便を軟らかくするオクラなどのネバネバ・つるつる系の食品、善玉腸内細菌を増やすヨーグルトなどの食品をとるように心掛けることが望まれること、特にヨーグルトについては菌が根づくためには量はたくさんでなくてよいので、2週間以上同じ製品を食べる続けること(同じ種類の乳酸菌を続けてとること)が必要であるとのお話がありました。
12:25〜12:30 質疑応答
第二部 / 13:30〜16:00
講演 / 13:30〜14:20 がんばらない介護生活の実現に向けて
鎌田實 (諏訪中央病院 名誉院長/医師/がんばらない介護生活を考える会 委員代表)
 鎌田實(諏訪中央病院 名誉院長/医師/がんばらない介護生活を考える会 委員代表)
がんばらない介護生活を考える会が発足してから7年間、介護地獄という時代を変えようと、介護をしている人に温かいメッセージを発信してきた鎌田委員代表によるお話。
介護や子育ての状況が良くなり、この国は年をとっても自分を守ってくれるというイメージができれば、その安心によって経済も動くようになること、介護が良くなるためには医療が頂点、真中に看護、底辺に介護があるという三角形ではなく、介護が一番上にある逆三角形の構造が必要であるとのお話をされました。さらに介護をする人たちが生き生きと働くための、当たり前の給料と社会的評価の必要性や、この必要性が満たされることによって解決されるだろう雇用や高齢社会の問題についてもお話しされました。障害を持って長生きしている方たちの悲しみは介護保険だけでは解決できないが、より生き生きとした生き方ができるように、ケアプランに年に一回はその人の生きがいに関わるようなプランを入れることを認めることを提案していきたいとの呼びかけが印象的でした。
今年2年目を迎えた11月11日の「介護の日」に、自分がどんな年寄りになるのかを考え、介護を必要としている人に温かい目を向け、介護する人たちに心からの拍手をしてほしいとのメッセージに会場は和やかなムードに包まれました。
トークショー / 14:20〜15:00 日本の介護を“がんばらない介護”へ
トークショー写真
片山聡子
(厚生労働省 介護技術専門官)
鎌田 實
別府明子
(品川介護福祉専門学校副校長 /
社団法人友愛の灯協会理事 /カウンセラー /
がんばらない介護生活を考える会 委員)

厚生労働省介護技術専門官 片山聡子さんをお招きし、鎌田委員代表、別府委員との間で自分らしく生きるためにどうしたらいいのかについてディスカッションを行いました。
片山専門官からは厚労省の今年度の取り組みや介護職員の雇用・給与について現状の報告をいただき、それを受けて、更なる報酬引き上げの必要性や、介護と仕事の両立が難しいために、介護離職者が多いことについてのディスカッションが行われました。
トークショー写真
介護職を育てる立場にある別府委員からは、せっかく技術や心を学んだ卒業生も人手不足に陥っている現場では学んだものを活かすことができず、忙しさでバーンアウトしてしまうという現状があり、解決する必要があるとの意見もありました。自分が介護の必要な老人になったらどのような介護を受けたいかについても話し合われ、将来の自分のためにも良い介護を浸透させていきたいと意気投合。また鎌田委員代表より、戦後復興で経済中心の考えにより失われた地域ネットワークや家庭のつながりなども、介護を通じて回復させることができるだろうとのお話があり、そのために「介護の日」を、もっと介護について考え、介護がもたらすストーリーをトップリーダーたちが発信していく必要があるとのお話がありました。

15:00〜15:20 休憩
15:20〜16:00 がんばらない介護生活劇場  がんばらない介護生活の一日

[監修]
葭田美知子(NPO法人メイアイヘルプユー理事 / 看護師 / がんばらない介護生活を考える会委員)
[脚本]
鈴木敏行(編集者)  
[出演]
主演:鎌田實、別府明子
葭田美智子、鶴丸礼子(服飾デザイナー / 全国障がい者ファッション協会理事長)
[協賛企業関係者]
大王製紙エリエール アテント
平本 征之(商品企画本部商品企画第一部 シルバーケアG)
株式会社ヤマシタコーポレーション
田丸 義弘(宇都宮営業所)、杉森 望(東京東営業所)、山田 誠(船橋営業所)
ヤヨイ食品株式会社
小川 宏之(広域営業本部 開発営業部長)
[協力]
レディースビューティラウンジ「CLUXTA(クリュスタ)」
櫻井 久美(クリュスタヘアメイクアップアーティスト)

ストーリー
ここにご紹介するのは、「がんばらない介護生活」を続けている諏訪家の、とある一日です。
 諏訪俊吉(85歳)は身体の不自由はわずかですが、認知症をかかえています。妻の秋子(82歳)は脳卒中による右片麻痺で、日常生活のあらゆる行為に介助が必要です。
そして娘の梓(59歳)は夫に先立たれて実家に戻り、パートをして働いています。

がんばらない介護生活劇場 写真その1
 諏訪家の一日は、早朝いつものように秋子がトイレに起きるところから始まります。といっても、自分ですべてができるわけではありません。梓の介護や福祉用具の助けが欠かせないのです。
がんばらない介護生活劇場 写真その2
そしてようやく起床時間。この日は秋子が美容室に行きたいというので、梓は出勤前に両親の外出のための身支度を調えさせます。もちろん、排泄の問題に備えておむつやパッドの準備を怠るわけにはいきません。でもやっぱり、老夫婦にとって外出は大切な気晴らしであり、美容室でメイクアップする喜びは女性にしかわからないものでしょう。
がんばらない介護生活劇場 写真その3
さて、朝食が済んだころにホームヘルパーがやってきます。若くてかわいいへルパーに俊吉が興味を示しますが、秋子は苦虫を噛みつぶしています。ヘルパーの仕事が一段落したころ、福祉用具のレンタルサービス会社から定期点検の訪問。ベッド関連のさまざまな確認から俊吉の使う杖のチェックまで、きめ細かいサービスが提供されます。
がんばらない介護生活劇場 写真その4
老夫婦の外出の介助は介護保険の範囲を越えてしまいますが、「自費サービス」で補うことができます。美容室でセットを終え、気持ちも明るく前向きになったところで、次はデパートの紳士&婦人服コーナーへ。その道のプロの店員がそれぞれに合った服を選び、着替えを手伝ってくれます。
がんばらない介護生活劇場 写真その5
買い物の後は昼食です。かたいものや普通の食事が食べにくくなってきた二人にも、見た目にもおいしそうで無理なく食べられるメニューが待っています。
 
二人は大満足で帰宅します。勤務から帰ってきた梓と一日の出来事を振り返りながら、「おやすみなさい……」

進化する食事ケアの実践アドがんばらない介護生活劇場 写真その6バイスs
(出演者一同あいさつ)

劇中紹介商品・サービス
鶴丸礼子の【服は着る薬(着る薬の“服”作用)】
鶴丸礼子の【服は着る薬(着る薬の“服”作用)】
機能性のみではなく、留袖をリメイクしたロングドレスなど、デザイン性も兼ね備えることで、それを着る利用者の元気が出るような服も紹介いただきました。着る人のことを考えた、腕が楽に上がるように脇のところの工夫や、夜間の運転者が視認しやすい反射素材の使用、着脱がしやすいようなラグラン袖やマジックテープの利用、ファスナー部分の工夫など、介護者が介護しやすいような工夫もされています。
詳しくは
鶴丸礼子の服は着る薬
http://www.kirukusuri.com/
お問い合わせ先
E-mail: hirame@bell.ocn.ne.jp
大王製紙エリエール アテント
大王製紙エリエール アテント説明説明
それぞれの紙おむつの特徴をとらえ、利用者の状況に合わせてうまく使い分けることで、利用者と介護者の心と体の負担の軽減につながるとの説明をいただきました。また、長時間寝ている姿勢の利用者にお勧めの、消臭効果付きの背モレ・横モレも防ぐテープ式紙おむつと、夜間トイレへ行けない方の肌への負担感を減らす夜一枚安心パッド強力6回吸収の紹介いただきました。テープ式紙おむつには、パックシート側のセンターラインもついており、正しく装着しやすくする工夫もされています。
詳しくは
アテント がんばらない排泄介護の手引き
http://www.elleair.co.jp/takecare/attento/
株式会社ヤマシタコーポレーション
株式会社ヤマシタコーポレーション説明写真
株式会社ヤマシタコーポレーションの福祉用具点検モニタリングサービスについての説明をいただきました。株式会社ヤマシタコーポレーションの定期訪問では、用具の点検だけではなく、利用者の体に適合しているかどうかの確認をする、利用内容の確認があり、特徴の一つです。また、ただ単に福祉用具をレンタルするだけではなく、導入の際には家族の方とのコミュニケーションをとりながら、安全に利用してもらうための基本的な指導を行っています。
詳しくは
常に最高のサービスを目指すヤマシタコーポレーションの福祉用具レンタル専門サイト
「ヤマシタ、シマシタ。」
http://www.ycota.jp/
ヤヨイ食品株式会社 やわらか食〜ソフリSOFLI
ヤヨイ食品 説明写真
介護される方にも、介護を必要とされる方にも喜んで頂けるようにという思いから開発した、やわらか食〜ソフリ
の紹介をいただきました。1、安全安心、2、経済性 3、簡便調理 4、栄養価 の4つの特徴を持つ商品です。
「やわらか食〜ソフリ」は、舌でつぶせるやわらかさの生地でできていて、調理も必要な分だけをパックから切り離して電子レンジで一分ほど温めるだけ。エネルギーや不足しがちな栄養素にも配慮されており、すべて国内の自社工場で生産しています。
詳しくは
ヤヨイ食品 やわらか食〜ソフリ
http://www.yayoifoods.co.jp/product/sofli/
10:30〜16:30 併設展示
併設展示 説明写真

ホワイエ・第2セミナー室にて)
大王製紙エリエールアテント、株式会社ヤマシタコーポレーション、ヤヨイ食品株式会社のほか、株式会社プロトコーポレーション ケア関連情報事業部による展示が行われました。

株式会社プロトコーポレーション ケア関連情報事業について詳しくは
老人ホーム・シニア住宅検索サイト『オアシスナビ』
http://www.oasisnavi.com/
カドマル帯 セミナーの概要 カドマル帯
●テーマ

“自分らしく生きる。知恵と工夫で変える!「がんばらない介護生活」”

●日時 2009年11月11日(水)11:00〜16:00(開場10:30)
第一部 11:00〜12:30
第二部 13:30〜16:00
併設展示 10:30〜16:30
●会場

女性と仕事の未来館 4階ホール(東京都港区芝5-35-3 )

●参加者数
第一部 150名(専門職が9割)
第二部 245名(専門職6割、一般の方4割程度)
専門職:社会福祉士、ケアマネジャー、介護福祉士、ヘルパー、看護師、保健師など
一般の方:主に介護者
●主催

がんばらない介護生活を考える会

●後援 厚生労働省、社会福祉法人全国社会福祉協議会、全国地域包括・在宅介護支援センター協議会、日本医師会、日本看護協会、日本栄養士会、日本コンチネンス協会、高齢社会をよくする女性の会
●特別協賛

大王製紙エリエールアテント

●協賛

株式会社ヤマシタコーポレーション
ヤヨイ食品株式会社

株式会社プロトコーポレーション

●協力 オーシャンスプレー クランベリー(日本代表事務所)、株式会社ウエルズ
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