会の今年の『介護の日』のテーマを“自分らしく生きる。知恵と工夫で変える!「がんばらない介護生活」”。「がんばらない介護生活」の実現を目指し、セミナーを通じて、進化する介護の考え方、介護技術や介護用品などの情報提供を行いました。
![]() |
● 主なプログラム | ![]() |
『認知症の在宅介護〜私たちにできること「在宅三本柱」でどこまで援助できるか』
(国際高齢者医療研究所 所長 / 岡本クリニック院長 / 医師 / がんばらない介護生活を考える会委員)

認知症の方は、認知できないことに対する悲哀や混乱を抱えていること、理屈が理解できず、自分の認知しているものが絶対だと思うこと、以前できていたことができなくなってしまうことによりうつ症状が出ることもあるとの説明がありました。認知症の大きな特徴である、現実の取り違えと失敗行動の2つが介護する家族にとって我慢できず、家族のストレスになることが多いが、ケアをしていく中でプライドを尊重すること、つまり、身体障害の治療と違って、本人に働きかけるコミュニケーションや安心できる環境づくりがもっとも大切であるとのお話がありました。さらに、精神論で無理に頑張ろうとせず、適切な医療(診断・治療薬)やデイサービスの利用、十分な家族カウンセリングの活用が認知症介護の基本であるとのお話や、認知症の中間段階では、デイサービスの利用で本人の自信が回復して問題行動も穏やかになった結果、家族との関係が良くなったというケースも多くあると述べられ、認知症の進行具合を把握し、施設の利用を考えることが大切であると呼びかけられていました。
(コンチネンスジャパン株式会社専務取締役 / NPO法人日本コンチネンス協会会長 / 看護師 / がんばらない介護生活を考える会委員)

まず、正常な排尿を知り、排尿に異常がある際には、チェックリストを用いて(1)日中排尿回数(2)夜間排尿回数(3)我慢がしづらかった頻度(4)尿失禁の有無と頻度で点数化し、診断する必要があるとお話しいただきました。対策としては適切な水分摂取や尿意を我慢する訓練、骨盤底筋の強化、薬や電気刺激による治癒等もあるため、是非、専門家に相談してほしいと呼びかけられました。また、排尿パターンや量の把握をするための排尿記録表への記録(24時間、できれば3日間くらい)や、膀胱炎の予防にクランベリージュースの摂取も勧められました。お通じにおいては、回数よりも形(理想はバナナ型)が重要であると述べ、排便においては便意を長く我慢させ過ぎないことといきみやすい、前かがみの姿勢が取れるようにすることの2点が大切であるとのお話がありました。
食事については、繊維質、便を軟らかくするオクラなどのネバネバ・つるつる系の食品、善玉腸内細菌を増やすヨーグルトなどの食品をとるように心掛けることが望まれること、特にヨーグルトについては菌が根づくためには量はたくさんでなくてよいので、2週間以上同じ製品を食べる続けること(同じ種類の乳酸菌を続けてとること)が必要であるとのお話がありました。

介護や子育ての状況が良くなり、この国は年をとっても自分を守ってくれるというイメージができれば、その安心によって経済も動くようになること、介護が良くなるためには医療が頂点、真中に看護、底辺に介護があるという三角形ではなく、介護が一番上にある逆三角形の構造が必要であるとのお話をされました。さらに介護をする人たちが生き生きと働くための、当たり前の給料と社会的評価の必要性や、この必要性が満たされることによって解決されるだろう雇用や高齢社会の問題についてもお話しされました。障害を持って長生きしている方たちの悲しみは介護保険だけでは解決できないが、より生き生きとした生き方ができるように、ケアプランに年に一回はその人の生きがいに関わるようなプランを入れることを認めることを提案していきたいとの呼びかけが印象的でした。
今年2年目を迎えた11月11日の「介護の日」に、自分がどんな年寄りになるのかを考え、介護を必要としている人に温かい目を向け、介護する人たちに心からの拍手をしてほしいとのメッセージに会場は和やかなムードに包まれました。

社団法人友愛の灯協会理事 /カウンセラー /
がんばらない介護生活を考える会 委員)
厚生労働省介護技術専門官 片山聡子さんをお招きし、鎌田委員代表、別府委員との間で自分らしく生きるためにどうしたらいいのかについてディスカッションを行いました。
片山専門官からは厚労省の今年度の取り組みや介護職員の雇用・給与について現状の報告をいただき、それを受けて、更なる報酬引き上げの必要性や、介護と仕事の両立が難しいために、介護離職者が多いことについてのディスカッションが行われました。
介護職を育てる立場にある別府委員からは、せっかく技術や心を学んだ卒業生も人手不足に陥っている現場では学んだものを活かすことができず、忙しさでバーンアウトしてしまうという現状があり、解決する必要があるとの意見もありました。自分が介護の必要な老人になったらどのような介護を受けたいかについても話し合われ、将来の自分のためにも良い介護を浸透させていきたいと意気投合。また鎌田委員代表より、戦後復興で経済中心の考えにより失われた地域ネットワークや家庭のつながりなども、介護を通じて回復させることができるだろうとのお話があり、そのために「介護の日」を、もっと介護について考え、介護がもたらすストーリーをトップリーダーたちが発信していく必要があるとのお話がありました。
[監修]
葭田美知子(NPO法人メイアイヘルプユー理事 / 看護師 / がんばらない介護生活を考える会委員)
[脚本]
鈴木敏行(編集者)
[出演]
主演:鎌田實、別府明子
葭田美智子、鶴丸礼子(服飾デザイナー / 全国障がい者ファッション協会理事長)
[協賛企業関係者]
大王製紙エリエール アテント
平本 征之(商品企画本部商品企画第一部 シルバーケアG)
株式会社ヤマシタコーポレーション
田丸 義弘(宇都宮営業所)、杉森 望(東京東営業所)、山田 誠(船橋営業所)
ヤヨイ食品株式会社
小川 宏之(広域営業本部 開発営業部長)
[協力]
レディースビューティラウンジ「CLUXTA(クリュスタ)」
櫻井 久美(クリュスタヘアメイクアップアーティスト)
諏訪俊吉(85歳)は身体の不自由はわずかですが、認知症をかかえています。妻の秋子(82歳)は脳卒中による右片麻痺で、日常生活のあらゆる行為に介助が必要です。
そして娘の梓(59歳)は夫に先立たれて実家に戻り、パートをして働いています。

諏訪家の一日は、早朝いつものように秋子がトイレに起きるところから始まります。といっても、自分ですべてができるわけではありません。梓の介護や福祉用具の助けが欠かせないのです。

そしてようやく起床時間。この日は秋子が美容室に行きたいというので、梓は出勤前に両親の外出のための身支度を調えさせます。もちろん、排泄の問題に備えておむつやパッドの準備を怠るわけにはいきません。でもやっぱり、老夫婦にとって外出は大切な気晴らしであり、美容室でメイクアップする喜びは女性にしかわからないものでしょう。

さて、朝食が済んだころにホームヘルパーがやってきます。若くてかわいいへルパーに俊吉が興味を示しますが、秋子は苦虫を噛みつぶしています。ヘルパーの仕事が一段落したころ、福祉用具のレンタルサービス会社から定期点検の訪問。ベッド関連のさまざまな確認から俊吉の使う杖のチェックまで、きめ細かいサービスが提供されます。

老夫婦の外出の介助は介護保険の範囲を越えてしまいますが、「自費サービス」で補うことができます。美容室でセットを終え、気持ちも明るく前向きになったところで、次はデパートの紳士&婦人服コーナーへ。その道のプロの店員がそれぞれに合った服を選び、着替えを手伝ってくれます。

買い物の後は昼食です。かたいものや普通の食事が食べにくくなってきた二人にも、見た目にもおいしそうで無理なく食べられるメニューが待っています。
s
(出演者一同あいさつ)




の紹介をいただきました。1、安全安心、2、経済性 3、簡便調理 4、栄養価 の4つの特徴を持つ商品です。
「やわらか食〜ソフリ」は、舌でつぶせるやわらかさの生地でできていて、調理も必要な分だけをパックから切り離して電子レンジで一分ほど温めるだけ。エネルギーや不足しがちな栄養素にも配慮されており、すべて国内の自社工場で生産しています。

ホワイエ・第2セミナー室にて)
大王製紙エリエールアテント、株式会社ヤマシタコーポレーション、ヤヨイ食品株式会社のほか、株式会社プロトコーポレーション ケア関連情報事業部による展示が行われました。
![]() |
● セミナーの概要 | ![]() |
●テーマ | : | “自分らしく生きる。知恵と工夫で変える!「がんばらない介護生活」” |
||||||
![]() |
![]() |
![]() |
||||||
●日時 | : | 2009年11月11日(水)11:00〜16:00(開場10:30)
|
||||||
![]() |
![]() |
![]() |
||||||
●会場 | : | 女性と仕事の未来館 4階ホール(東京都港区芝5-35-3 ) |
||||||
![]() |
![]() |
![]() |
||||||
●参加者数 | : |
|
||||||
![]() |
![]() |
![]() |
||||||
●主催 | : | がんばらない介護生活を考える会 |
||||||
![]() |
![]() |
![]() |
||||||
●後援 | : | 厚生労働省、社会福祉法人全国社会福祉協議会、全国地域包括・在宅介護支援センター協議会、日本医師会、日本看護協会、日本栄養士会、日本コンチネンス協会、高齢社会をよくする女性の会 | ||||||
![]() |
![]() |
![]() |
||||||
●特別協賛 | : | |||||||
![]() |
![]() |
![]() |
||||||
●協賛 | : | |||||||
![]() |
![]() |
![]() |
||||||
●協力 | : | オーシャンスプレー クランベリー(日本代表事務所)、株式会社ウエルズ |