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カドマル帯 2006年調査レポート:在宅介護の実態調査 カドマル帯
在宅介護の負担軽減の鍵は「がんばらない介護生活」の実行。主介護者への周囲の精神的サポートが有効

2006年6月、P&Gアテントとがんばらない介護生活を考える会は、「介護の日」にむけて、在宅高齢者の主介護者の意識と実態に関する共同調査を実施しました。この調査で依然として多くの在宅介護者が介護負担感を持っていますが、「がんばらない介護生活」を実行することで介護負担感が軽減されていることが明らかになりました。また、そのためには主介護者の周囲の人々による精神的サポートが有効であるという結果になりました。
この結果を踏まえて2006年の「介護の日(9月25日)」では“「がんばらない介護生活」のための介護者支援”をテーマとし、主介護者への周囲のサポートを盛り上げる活動を展開しました。
カドマル帯 調査結果 カドマル帯
「がんばらない介護生活」を心がけ実行することが、介護の負担感軽減への解決策
今回の調査対象者(在宅介護者)全体の74%が、「現在の介護を負担に感じている」と回答し、数年前と比較して介護サービス・商品等が充実してきた現在においても、依然として多くの在宅介護者が介護負担感を持っていることが確認されました。
一方、がんばらない介護生活を考える会が2002年以来提唱している「がんばらない介護生活」という考え方は、在宅介護者の高い認知(「がんばらない介護生活という言葉を聞いたことがある」91%)を得ており、「がんばらない介護生活」を心がけいつも実行できている介護者の介護負担感は低い傾向にあることが今回の調査で明らかになりました。しかし「がんばらない介護生活」をいつも実行できている介護者は約2割にとどまっており、実行したくてもなかなかできない人が3割存在しているのが現状です。
「がんばらない介護生活」をいかに実現させ、介護の負担感を軽くするかが、今後の課題であるといえるでしょう。
主介護者への周囲の精神的サポート(介護者支援)が、「がんばらない介護生活」実現に有効
「がんばらない介護生活」の実現には、社会的・物的資源の活用に加えて、主介護者の周囲の人々による精神的なサポートも重要であることが明らかになりました。
以下は、「がんばらない介護生活」をいつも実行している人の環境や行動を分析した結果から導き出した、「がんばらない介護生活」実現の3大ポイントです。
1. 主介護者をとりまく人々が精神的にポジティブに支える(=介護者支援)
主介護者の家族による感謝の気持ちの表現や、介護についての会話の有無によって、「がんばらない介護生活」の実現度に差異がみられます。また介護のプロによる情報提供や助言も「がんばらない介護生活」実現に影響しています。
2.介護サービスを上手に活用する
「がんばらない介護生活」をいつも実行している人の91%が、身体的、精神的な負担を軽くする心がけとして「介護サービスを上手に活用する」ことを挙げています。
1. 福祉用具や介護用品を上手に選び、活用する
「がんばらない介護生活」をいつも実行している介護者は、やり方やコツを教わり楽になったこととして68%が介護用品の選び方(1位)、45%がおむつ交換、部屋や身の回りの用具の衛生管理(同率2位)を挙げています。
カドマル帯 調査概要 カドマル帯
●調査対象   要支援・要介護認定を受けている在宅高齢者の主たる介護者/163人
介護者は30代以上。
対象高齢者
・65歳以上、性別問わず
・基本的に在宅介護(短期での病院入院や老人保健施設入所中の場合は対象に含める)
(老人ホームのような長期の施設入所の場合は対象に含めない)
●調査地域   首都圏
●調査時期

2006年6月

●調査方法

郵送法(自記入式)

●調査主体

がんばらない介護生活を考える会、P&Gアテント

▼より詳しくはPDFでご覧ください。
PDF2006年詳細レポート(516kb)(ご覧いただくにはAcrobat Readerが必要です。)
2002年実施「在宅介護に関する意識と実態調査」
調査結果を受けて1
今回の調査の回答者は、家庭で老親を介護している娘または嫁が大半であるので、比較的若い世代が多いことを踏まえておく必要がある。
彼女らの多数が「『がんばらない介護生活』を心がけたい」と回答しており、実際介護負担を軽減するために、外部サービスの利用も進みつつある。にもかかわらず7割あまりもが「心の健康状態を悪化させ、介護に負担を感じている」と回答している点に注目したい。それは介護保険制度の発足をきっかけにして、社会全体としては「介護の社会化」への意識転換が進行しているにもかかわらず、自分の人生を犠牲にしていると思いつつ、在宅介護を余儀なくされ「がんばらざるを得ない」家族介護者の、苦悩や葛藤の表れなのかもしれない。あるいは、社会的介護サービスが量的にも種類的にも選択肢が目に見えて急速に増える中、家族介護者自身の自己実現への要求度が高まっている故かも知れない。また長寿化がますます進行して、必然的に介護期間も延長するという閉塞感のあらわれでもあろう。

要介護者ご本人の在宅生活への強い要望や、経済的な制約のために、望ましいレベルの施設介護に委ねることができない等の理由で、長期にわたる在宅介護を担わざるをえない家庭は今後とも多数存在する。そこで、介護者・要介護者の共倒れを防ぎ、良質の在宅介護を継続するためには“家族介護者の支援”をいかにしていくかが当面の大きな課題である。今回の調査により、介護技術の習熟や様々な「コツ」を会得することは不可欠だが、周囲の人々の評価や思いやりの大切さも明らかとなっている。「がんばらない介護生活」の実現に向けて介護はどうあるべきか、介護者をどう支援していくかを、「介護の日」をきっかけに、皆で正面から向き合ってみたい。
岡本 祐三さん
岡本 祐三(おかもと ゆうぞう)
国際高齢者医療研究所 岡本クリニック院長
大阪大学医学部卒業。同大学講師、神戸市看護大学教授などを経て、2001年岡本クリニック開業。 専門は老年医学。 厚生省「高齢者介護自立支援システム研究会」委員(1997-2000)、「痴呆ケア研究検討委員会委員」(1998-2000)など歴任。 現在、「NPO介護保険市民オンブズマン機構大阪」代表理事、「兵庫県介護保険サービス苦情処理委員会」会長。 『高齢者医療と福祉』(岩波新書)、『医療と福祉の新時代』(日本評論社)など著書多数。 「がんばらない介護生活を考える会」委員。
調査結果を受けて2
4年前の調査結果と今回のものを比較してみて、社会の変化というのは、目に見えないくらいゆっくりにしか進まないのだと感じた。しかし、91%の人が「がんばらない介護生活という言葉を聞いたことがある」と答えたのは、社会全体が負担の少ない介護をめざしているという現れであろう。

にもかかわらず「がんばらない介護生活をなかなか実行できない」という回答も多かった。その中には、サービスというのはどうにもしようがなくなった時に使うもの、と考えてがんばらない介護をためらっている人がいるのかもしれない。そして、自分一人で「まだ、大丈夫」と孤軍奮闘している姿が目に浮かぶ。しかし、この「まだ、大丈夫」が介護生活を辛くし、ときには取り返しのつかない事態(虐待・心中など)につながることもある。

歯をくいしばった介護は、世話をされる人にとっても辛いものであろう。生まれ立ての赤ちゃんも母親の厳しい表情にはむずがり、笑顔を好むことが知られている。笑顔は「あなたを歓迎していますよ」というメッセージなのだ。心身に余裕のあるがんばらない介護生活は、お互いの笑顔を増やす。そのためには便利な介護用品などを使うことから始め、徐々にヘルパーやデイサービス、ショートステイなどを上手に活用し、介護者も自分らしい生活をすることである。現在私自身も3人目を介護しているが「お互いにほどほどの自由と少しのがまん」で暮らせたらいいなと思っている。

介護者やその周囲の人々にとって、「介護の日」が、がんばらない介護生活へ一歩踏み出すきっかけとなり、みんなの笑顔が増えることを期待したい。
別府明子さん
別府 明子(べっぷ あきこ) 
品川介護福祉専門学校副校長、カウンセラー
筑波大学大学院教育研究科カウンセリングコース修士課程修了。専門分野は臨床心理学、老年心理学。スクールカウンセラーを経て、現在、品川介護福祉専門学校副校長、近畿大学・九州短期大学非常勤講師、国立教育政策研究所協力研究員。社団法人友愛の灯協会理事。
『がんばらないで家庭介護』(法研)など著書多数。「がんばらない介護生活を考える会」委員。



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